腕時計の天敵は水!防水修理の費用感と防水表記の種類
時計の三大大敵として挙げられる“水”、“衝撃”、“磁気”の内の一つで、特に夏の時期に注意しないといけないのが水です。
■水のトラブルは想像以上に甚大
時計の内部に水気が侵入してしまうとどうなるでしょう?
クォーツ式、機械式問わず内部の機械に甚大な被害が及びます。
そうなると当然内部機械の修理、もしくは交換が必須です。
これはオーバーホール(分解掃除)と同じ項目となり、それだけで数万円・・・更には水気が侵入した痕跡を追い、必要であれば(概ね必要ですが)ケース交換がプラスされ更に数万円・・・
例えばハミルトンオープンハートの場合ですと5~8万円の修理代金が発生する恐れがございます。
以前当店でメーカー修理させて頂いたオメガで15万円の修理見積が出た事もございます・・・怖いですね。※2021年時点
この様に時計内部に水入りが発生した場合、おおよそ全体修理となってしまう事が殆どです。
拭いて終わり、では済まないんですね。
■防水機能とは
通常時計の裏ブタに記載されている防水表記。
そこには『3bar』『10bar』『100M』等様々な記載があります。
それでは代表的な表記の説明をいくつかさせて頂きます。
『非防水』 表記無し
薄型のドレスウォッチや型式の古い時計などに多く採用されています。
基本的にはいつ水気が入ってもおかしくないので、湿気の多い日や場所での使用はおススメしません。
『日常生活用防水』 表記:3bar、30M
日常生活で予想される汗、雨などに耐えられる程度のものです。
例えば手を洗う際は時計を外して頂く事をおススメいたします。
『日常生活強化防水』 表記:5bar、50M
基本的には上記の3気圧防水と同じ程度とお考え下さい。
手を洗う際は時計に水が掛からない様ご注意ください。
『日常生活強化防水』 表記:10bar、20bar
スキンダイビング(素潜り)を含む水上スポーツに耐えられます。
通常生活の上では基本的に水気が入る事はありません。
『スキューバ潜水専用防水』 表記:100M、200M
水深100~200mまでの耐圧性と水中使用に耐えられます。
通常生活の上では基本的に水気が入る事はありません。
酸素ボンベが必要な程度のダイビングには耐えられません。
『飽和潜水用防水』 表記:300M、600M、1000M
水深耐圧性とヘリウムガス対策の機構を持っています。
人間が活動可能な環境で水気が入る事はありません。
■例外的に注意が必要な場合
お手持ちの時計の防水表記を調べて使用して頂ければ水気の侵入を防ぐ事が可能です。
しかしながら例外的にですが注意が必要な場面もございます。
『経年劣化による防水機能低下』
防水表記はあくまでも時計が良好状態にある場合のみの目安となります。
基本的に内部のゴムパッキンは経年劣化していきますので、定期的なオーバーホール、防水機能に至っては2年周期でメーカーでのチェックをおススメしております。
例えば3年メンテナンスしてない時計は、防水機能が表記程は無いとお考え下さい。
『サウナや温泉』
200Mや300Mと表記があっても避けて頂きたい環境です。
サウナの熱によってゴムパッキンの劣化が進んでしまいますし、温泉の泉質によってはステンレスやチタンを破壊してしまう恐れがございます。
上記以外にも海水や汗が付着したままにしておくと外装が錆びてしまい、そこから水気が入ってしまう事例もございます。
■使用上の注意
防水機能に関してはここ数年新しい機構は開発されていません。
逆に言えば、従来の対策で十分防げるとも言えます。
ご自身の時計の防水表記を確認していただき、それに沿ってご使用頂ければ基本的に防ぐ事が出来ます。
いかがでしたでしょうか。
大事な思い入れのある腕時計。
残念ながら古い時計程、防水機能を復元する事は難しく、水気が入って壊れてしまうと修理も大変になってしまいます。
末永く使用するために大事に大事に扱ってくださいね。
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