TISSOTシデラルの復刻
2023年。半世紀の時を経て1970年代のアイコンウォッチの復活です。
世界で最も時計を生産、販売しているスイスの巨大ウォッチメーカー『TISSOT/ティソ』は、170年にも及ぶその長い歴史の中で様々なデザインを世に送り出してきました。特に1970年代は個性あふれるデザインがトレンドとなった、良くも悪くも記憶と記録に残る時代でした。
昨今の腕時計の『復刻ブーム』の影響もあり、今回1971年に発売された『シデラルS』の復刻は、腕時計愛好家たちを興奮させる十分なニュースとなります。
1970年代のポップカルチャーデザイン。当時はより痛快さが求められた時代でしたが、2023年に再解釈された『1970年代』は、程よい安っぽさを漂わせながら、細部の造り込みで重厚感、高級感をしっかりとアピールする事が求められました。
「時代は繰り返す」と言いますが、全く同じモノでは厳しい審美眼を持った愛好家たちを納得させることは当然出来ません。懐かしさを感じさせながらもグレードアップしたタイムピースの復活。それこそが真の『復刻』と言えます。
左： 1971年発売のモデル、 右：2023年発売のモデル
シデラルSのコンセプト『冒険』『革新』『興奮』はもちろんそのままに、スポーティでカジュアルで、そして高級感も兼ね備えた本格的なデイオフウォッチです。
ケース素材は当時の最先端技術『グラスファイバーケース』から現代の最先端技術『マーブルフォージドカーボン加工スティールケース』へとアップデート。防水性も300メーターへとスペックアップ。
※フォージドカーボンとは鍛造された炭素で、軽く丈夫で熱にも強い素材です
※300メーター防水は本格的なダイビングにも使用できるダイバーズウォッチ仕様です
ムーブメントは言わずもがな、いずれティソの名機として歴史に名を遺すであろう『パワーマティック80』が搭載されています。80時間のロングリザーブや高耐磁性のニヴァクロン製ヒゲゼンマイ、フリースプラング式のテンプは本当に実用的なスペックです。
このスペックと価格のバランスは、多くの他ブランドの商品を見てきた愛好家たちが納得せざるを得ない事実となっている事でしょう。
※通常の機械式時計のリザーブはおよそ40時間程度、ティソのパワーマティック80は倍の80時間を誇ります
※ニヴァクロンとは帯磁せず、温度変化にも強い金属素材です
※フリースプラングとは精度を司るテンプの特殊構造で、一般的な機械式時計より精度が出やすい仕様となっています
1970年代のポップカルチャーと最新技術の大胆な融合。初代『シデラルS』へのオマージュを込め、全体的に最先端へのアップデートを果たしたティソの最新腕時計が『シデラル』です。
ダイアルのカラー展開は現在3パターンです。ストラップもダイアルに合わせたカラーが付いていますが、イージーチェンジャー仕様になっており、今後はラバーストラップの付け替えも楽しんで頂きたいポイントです。メーカーのHPにはオレンジ、グリーン、ブラックもラインナップされています。
スーパールミノバ®を使用したレガッタカウントダウン付きマルチカラー夜光ダイアル。カラフルさもレトロですね。
※レガッタカウントダウンとはヨットレースの際のスタート前の10分間を計測する機能です
いかがでしたでしょうか。ティソの新作シデラル。どこか懐かしいノスタルジックな顔の裏には、時計愛好家たちをうならせる最先端の技術と新たな解釈のコンセプトが隠されたタイムピースです。夏の時期、休日に、と限定的なアイテムですが、余裕のある大人の遊び心を後押ししてくれる、心躍る腕時計だと思います。
参考になればうれしいです。素敵な腕時計ライフをお送りください！
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