6月10日は『時の記念日』

6月10日は『時の記念日』

 

皆さんは『時の記念日』って知っていますか?

もちろんご存じの方も多いと思いますが、年々この日の印象が薄れていってしまっている事実もございます。

6月10日。ちょうど本日がその日になりますので、今回は『時の記念日』についてお話ししたいと思います。

■時の記念日

毎年6月10日に『時間の大切さ』を再認識してもらうため、1920年(大正9年)に生活改善同盟会により制定されました。

当時の日本は第1次世界大戦後の混沌の中にあり「生活は乱れ、時間に対する認識が乏しい」と、先進国からは評価されていたのです。
そこで、生活の向上を図るための一環として『時間を正確に守る』という事が掲げられたのです。

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当時の東京ではこの日、通行人に時間を合わせるよう促したり、大砲を鳴らして正午を知らせたりしていた。とあります。

■6月10日

ではなぜ6月10日なのでしょう?

さかのぼること西暦671年。
日本の第38代天皇である天智天皇(中大兄皇子)により、日本に初めて時計(漏刻)が設置されました。
日本書紀によると、その日は4月25日でしたが、現代の太陽暦(グレゴリオ暦)に換算したところ、その日は6月10日に当たりました。
そして、6月10日に『時の記念日』が制定されたのです。

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■漏刻(ろうこく)

水時計とも言います。
その起源は遥か昔3500年前のエジプト、バビロニアで使用されていた事が確認されています。
同じころの中国の文献の中にも登場しており、この技術は中国から日本に伝わったと言われています。

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漏刻は水の流れ方が一定であることを利用したものです。
四段の水槽の上段から順々に水が落ちていき、それにより最下段に浮かべてある矢が浮き上がります。
浮き上がった矢に付けた目盛を読むことにより時刻を知れるのです。

天智天皇を祀った神宮は全国に数カ所あり、漏刻のレプリカが見られる神宮も幾つかあります。

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福岡では朝倉市の恵蘇八幡宮(えそはちまんぐう)で漏刻のレプリカを見る事が出来ます。

また、毎年6月10日の『時の記念日』には、福岡時計職人の会と共同で、修理が出来なくなった時計を供養する『時計供養』を行っております。

■時間を大切に

どんなに大切な事でも、当たり前のようにそこに在ると、いつしか意識が薄れてしまいますよね。
特に時間は決して戻すことの出来ない、かけがえのないものです。

光陰矢の如しと言いますが、目まぐるしく移り行く時間の中で、立ち止まり、振り返る。

そんな一日があっても良いのではないでしょうか。

6月10日の『時の記念日』。
普段何気なく見ている時計も、この日だけは少し違って見えるかもしれませんね。

 

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