意外と知らない腕時計の磁気トラブル!スマホやPCは相性最悪⁉

意外と知らない腕時計の磁気トラブル!スマホやPCは相性最悪⁉

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時計の三大大敵として挙げられる“水”、“衝撃”、“磁気”の内の一つで、現代社会では最も注意したい故障&不具合原因の一つが磁気です。

■時計にとって磁気は大敵

磁気とは言っても色々な物から発生しているのですが、よく言われるのはスマートフォンや携帯電話、パソコンでしょう。
バッグの留め金がマグネットになっていたり、スマートフォンのケースがマグネットタイプになっているものも要注意です。

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例えばスマートフォンのスピーカー部に密着させると、時計は16,000A/mの強さの磁界に影響を受けることになります。
他にも電子レンジや、ステレオスピーカー、磁器ネックレスやバッグの留め金等、ありとあらゆる場所で磁気は発生しているんです。

しかもこの磁気帯びに関しては、ほぼすべてのメーカーが「保証対象外」としている場合が多く、保証期間内であっても有償修理になることも多々あります…。

■駆動方式によって変わる磁気の影響

①アナログクオーツ(電池式、ソーラー、電波)
・直流磁気の場合…止まり
・交流磁気の場合…針がぐるぐると回る

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クオーツ系の時計の場合、内臓されているモーターの磁石部分が影響を受け、早く回転したり、止まったりすることがあります。

②機械式(手巻、自動巻)
・直流、交流共に進み

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機械式の場合は、心臓部分のひげゼンマイというパーツが影響を受けやすく、さらに磁気が蓄積していくという特徴があります。
精度にも影響を及ぼしますので早めの対策をお勧めします。

上記内容に関しては、あくまで一つの例でしかありません。
他にもバネ棒や針が磁気帯びすることもありますし、同じような事象が起こっても磁気ではなく内部故障の可能性もあります。

■各メーカーの対策

さて、この磁気に関しては様々なメーカーが対策を考えてきました。

例えば、以前のOMEGAやIWCの磁気性能を高めたモデルでは、ケースの内部に軟鉄のインナーケースをセットし、磁気を“逃がす”という方法を採用。
しばらくは、この方法が一般的な磁気対策となりました。
しかし、あくまで逃がすというだけなので限界があったのも事実。

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現在の機械式においては、様々なパーツにシリコンを使用することで磁気の影響を受けづらくしているものも増えてきました。
しかし、権利上の問題やパーツ価格により簡単に搭載できないのが現状です。

■ハミルトンの最新技術

ちなみにハミルトンに搭載されているNivachron製ひげゼンマイは、最適な磁気抵抗を実現するために開発されたチタニウムベースの合金で、現在注目されているシリコン製ひげゼンマイの弱点である温度変化の激しい日本の環境下でもその性能安定性と耐衝撃性の向上を実現しました。

Nivachron製ひげゼンマイについてはこちら 

■使用上の注意

では、時計を使用する上でどのような対策ができるのか…。

あくまでおおよそのイメージになりますが、磁気が発生する機器から約10cm離していただくと、ほとんど影響は受けないと言えます。(JISⅠ種は5cm、JISⅡ種は1㎝と言われますが、磁界の強さは製品によって異なるので、10㎝ほど離すことをお勧めしています。)

通常の通話や、パソコン作業に至っては仕方がない部分もありますので、どちらかというと時計を外した時の保存場所に気を付けて頂くのが一番だと思います。

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いかがでしたでしょうか。
大事な時計を永くご使用いただくためにも、ぜひ今日から実践してみてくださいね。

 

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