【実機レビュー】ティソPRXパワーマティック80 35mm MOP

【実機レビュー】ティソPRXパワーマティック80 35mm MOP

時計業界では数十年ぶりのヒットと言っても過言ではない『PRXシリーズ』。1970年代のテイストを含んだラグスポ(ラグジュアリースポーツ)デザインは、当時の腕時計愛好家達をもちろん、それを知らない若い世代の方々にも興味を持って頂いております。

※ここでは需要と供給のバランスが正常な事もヒットの定義に含んでおります

現在ではサイズやダイアルカラーなど多岐に展開しておりますが、一つのシリーズがこんなに反響があるのは本当に久しぶりの感覚です。

今回はPRX機械式自動巻きの35mmサイズからおススメの1本をご紹介させて頂きます。

 

TISSOT PRX POWERMATIC80 35mm 

型番:T1372071111100
価格:¥113,300(2024年4月現在)

おおよそのフォルムはお分かりになるかと思いますが、特徴であるMOP(マザーオブパール)ダイアルの雰囲気は分かりづらいですね。後にしっかりとレビューさせて頂きます。ユニセックスとなっており性別問わずお選び頂ければと思います。

カテゴリー ラグジュアリースポーツ
ケース径  35mm
ケース素材 316Lステンレススチール
駆動方式 機械式自動巻き
パワーリザーブ 80時間
風防 サファイアクリスタル
防水 10気圧(100m)
ストラップ素材 316Lステンレススチール
その他 ニヴァクロン製ヒゲゼンマイ
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MOP(マザーオブパール)ダイアル


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バスケットボール日本代表の河村勇輝氏が公式アンバサダーをつとめ、ご本人も愛用されるモデル

現在ティソは、バスケットボール日本代表の河村勇輝氏を公式アンバサダーに迎えております。若干22歳ながら将来を約束されている期待の星。いずれアメリカへの挑戦も期待されている超大物です。そんな彼が選んだ腕時計が今回の『PRX35MOP』という事です。

因みに彼は高校時代福岡第一高に所属しており、弊社店舗が所在する福岡県を代表するプレイヤーとの事で大変誇らしいですね。恐ろしくイケメンですし。

それでは実機を見ていきましょう。

実機レビュー

【ケース】

ケースサイズは35mm。素材は316Lステンレススチール。さて、この35mmと言うサイズ感、今までは女性の方に提案させて頂くサイズとなっておりましたが、昨今の小径ブームも牽引し、男性の腕にもおススメしやすいアイテムとなっております。実際当店で購入される方の7割が男性です。
ケースからストラップへのフォルムがシームレスになっているのが特徴。スポーティー且つラグジュアリーなデザインです。

因みに1978年に最初に発売されたPRXは35mmだったとの事。これに限らず当時はそのくらいのサイズが紳士用でしたね。

嬉しいことに10気圧(100メーター)防水となっておりますので、雨の日はもちろん、軽い遊泳にまで使用できる実用性を兼ねております。

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【風防】

サファイアクリスタルを使用しております。筆者も同素材の腕時計を数本所有しておりますが、やはり何十年経っても傷が入らず綺麗な状態を保っております。

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【MOPダイアル】

ダイアル素材はMOP(マザーオブパール)。天然の白蝶貝を使用しております。MOPは見る角度や光の加減で表情を変えます。同じ個体はほぼ存在せず、自分だけの特別感を愉しむことが出来ます。大変綺麗な素材ですが、男性向けのデザインには華やか過ぎて難しいと言われており、現在MOPダイアルのメンズウォッチは極少数しか存在しません。

PRXオートの縦横にマス目が入ったワッフルダイアルとの相性が良く、綺麗な状態を保ちつつ重厚感とさり気なさがバランスよくデザインされています。MOPの個体も比較的濃淡の薄いモノが選ばれていると言う事で、やはり、さり気なささを考慮しているのだと思います。

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【ストラップ】

ケースからシームレスにつながっているステンレス製のメタルブレス。ヘアライン仕上げが施されており、小傷や油脂の汚れ等が目立ちづらい仕様になっております。インターチェンジャブルとなっており、「工具を使わずストラップの交換が可能」とありますが、隙間が狭すぎてまあまあ苦行レベルですね。
コマの長さが短い為微調整も割と可能。しなやかな着用感を楽しめると思います。

コマの接続方法が『割れピン式』となっており、ここでコストを落としているかと思います。全体的なブレスの作りは『まあまあレベル』ですが、価格を考えると十分納得できます。

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 【ムーブメント】

ティソが誇る自社製ムーブメント『パワーマティック80』。ハミルトンの『H-10』と双角の、スウォッチグループならではのコストパフォーマンスを実現した現代機です。機械式自動巻き。シースルーの裏蓋から綺麗なムーブメントを覗くことが出来ます。

80時間パワーリザーブに高耐磁性、高精度。レーザー加工や3Dプリンターなどの現代科学を用いて設計された緻密なムーブメントとなっており、機械式時計の初心者からコレクターまで幅広く支持されています。もしスウォッチグループ以外の時計メーカーがこのムーブメントを搭載しようとしたならば、おそらく30万円ぐらいの商品価格でないと採算が取れないのでは?とも言われます。

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店長コメント

いかがでしょうか。35mmでMOPダイアル。当店でも少し変わった腕時計となりますが、様々なシチュエーションで意外と違和感なく使用できると思います。腕時計をお探しの方で結構多い「腕が細い」「腕が太い」と言ったお悩み。どちらの方にも「大丈夫です!」と言わせて頂きます。

自分に合いそうな小径の腕時計をお探しの方はもちろん、普段40mm以上の腕時計を使用している方にも是非、そのコレクションに加えて頂きたいタイムピースとなっております。

参考になればうれしいです。素敵な腕時計ライフをお送りください!

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よくあるご質問

Q:MOP(マザーオブパール)とは?

A:マザーオブパールは、真珠を生み出す貝の内部にある虹色に輝く真珠層を加工した天然素材で、真珠のような美しい光沢が特徴です。見る角度によって様々な表情を見ることが出来ます。特に女性のアクセサリーに多く用いられますが、昨今では男性用の腕時計の文字盤に使われることも増えてきました。

Q:MOPダイアルのお手入れ方法や注意点はある?

A:時計内部のパーツなので基本手入れする事は有りません。太陽光によって変色する事はあり得ますので、直射日光は出来るだけ避けてください。万が一、衝撃等で文字盤が割れてしまった場合、文字盤の交換は可能ですが、同じ柄の物をご用意する事は難しいです。

Q:パワーマティック80の実際の精度はどの程度?日常使いでの時刻合わせ頻度は?

A:現状のパワーマティック80は±10秒/日以内に収まる事が殆どです。ただし保証の対象ではないので歩度(精度)調整は有償になる事も有ります。姿勢差により進む日も有れば遅れる日もあるので、時刻合わせの頻度は使用される方の感覚で異なります。パワーマティック80は非常に優秀なムーブメントですが、基本『ズレる』と認識頂いた方がトラブルは少ないと思います。

Q:10気圧防水で実際にどこまで使用できる?プールや海水浴での使用は可能?

A:防水機能は世界基準と日本基準で若干異なりますが、10気圧(100メーター)以上の防水性があれば、軽い遊泳ぐらいでは水が入る事は有りません。とは言え、海水や汗は塩分を含んでいるので、そのままでは表面のステンレスが錆びてしまいます。10気圧以上の防水時計の実用例としては、時計を外した後に水道水で軽く濯ぐ事は可能ですしおススメです。

Q:自動巻きって何?毎日ゼンマイを巻く必要がある?

A:現代の時計の機構は大きく2つに分かれます。ゼンマイを動力とした『機械式』と、電池や太陽光を動力とした『電池式』です。機械式は更に2つに分かれていて、ゼンマイを毎回手動で巻き上げる『手巻き(メカ)』と、内部の重りを利用してゼンマイを巻き上げる『自動巻き(オートマチック)』が有ります。自動巻きは、基本、腕に巻いていれば勝手にゼンマイを巻き続けてくれます。手動で巻く必要はありません。

Q:80時間パワーリザーブとは具体的にどういう意味?

A:機械式時計における、ゼンマイを最大まで巻き上げた時の駆動時間の事です。80時間パワーリザーブだと、おおよそ80時間は机の上に置きっぱなしでも止まらないという事ですね。技術が躍進した現代でもパワーリザーブは40時間程度が一般的なので、ティソのパワーマティック80が如何に優秀かが分かります。

Q:35ミリって男性の腕には少し小さい?

A:いいえ、昨今腕時計の小径化がトレンドしており、ティソを筆頭に多くの時計メーカーで同サイズの腕時計が新作として販売されています。手首にスッと収まるサイズ感は、カッターシャツの袖を邪魔することなく着用可能です。その他レトロ感のあるサイズとしても男性にとても人気です。

Q:購入後のメンテナンス費用や頻度はどの程度かかる?

A:腕時計の大きなメンテナンスに『オーバーホール(分解掃除)』という項目が有ります。腕時計を使用してても使用していなくても、内部の金属の摩耗を防ぐためのオイルが劣化するので必要とされています。これは機械式でも電池式でも同じです。ムーブメントの仕様にもよりますが、オーバーホールの推奨期間はおよそ5年周期で、金額も3万円以上となっております。メンテナンス費用は決して安くないので、その都度専門家(時計店スタッフ)にご相談いただくのがいいと思います。

 

~合わせてお読みください~

【商品ページ】ティソPRXパワーマティック80 35ミリMOP

【ブログ記事】スイス時計産業の未来を担う巨人『TISSOT/ティソ』

 

 

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