グラスヒュッテとバウハウス『NOMOS/ノモス』

グラスヒュッテとバウハウス『NOMOS/ノモス』

【ノモスとグラスヒュッテ】

ドイツ東南部の国境にある町グラスヒュッテ。時計好き以外の方にはあまり聞き馴染みのない地名だと思います。人口僅か7,000人程度の小さな町が、いかに聖地と呼ばれるようになったのか?ノモスの魅力を語るにはまずそこからお話させて頂こうかと思います。

豊かな自然に囲まれた町グラスヒュッテ

 

【ドイツ時計の聖地グラスヒュッテ】

15世紀に鉱山で一躍華やいだグラスヒュッテ。しかし、資源が尽き、町は過疎化を始めました。そんな中、1845年、ザクセン王フリードリヒ・アウグスト2世は、時計技師のマイスターであるフェルナンド・アドルフ・ランゲ氏に、時計作りの手法を人々に教えると同時に、スイスの様な分業制の時計産業を興すことで、その地に雇用を生み出そうと、グラスヒュッテに派遣したのです。

後の、二つの戦争と東ドイツ時代はグラスヒュッテとその産業に大きな打撃を与えましたが、時計づくりの知見と専門知識はより強く育ちながらそこに残りました。こうして、1845年からこの小さな町の名前は世界で最も優れた時計の代名詞となったのです。

グラスヒュッテの職人達のクラフツマンシップが読み解ける紋章

 

【厳格なグラスヒュッテ規格】

ランゲが造った時計の町グラスヒュッテ。175年以上続く歴史はその高い品質で保たれており、その品質を守るべく、今なお厳しい規格が設けられています。そしてその厳しい規格をクリアーしたブランドのみに『GLASHUTTE』の表記が許されており、時計愛好家たちがグラスヒュッテの時計を好む理由になっているのです。

厳格な規格を有するが上に大量生産には不向き。一つ一つの工程を丁寧に仕上げていくグラスヒュッテの職人達は皆、グラスヒュッテの地に最大限の誇りを持っています。

 厳格な規格をクリアーしたノモスのムーブメント

 

 【グラスヒュッテに現存する時計メーカー】

現在グラスヒュッテには9社の時計メーカーが存在します。『ランゲ&ゾーネ』『モリッツ・グロスマン』『グラスヒュッテ・オリジナル』『チュチマ』『ヴェンペ』『ミューレ・グラスヒュッテ』『ユニオン・グラスヒュッテ』『ブルーノゾンレー・グラスヒュッテ』そして『ノモス・グラスヒュッテ』です。いずれも名立たるブランド達ですが、その価格は100万円を超えるモノばかり。同じレベルのクオリティを保ちながら20万円~の実用的な価格での提供を実現できているのはノモス・グラスヒュッテのみです。

 ダイアルに記載されている原産地証明である『GLASHUTTE』の文字。ここにはそんな深い意味が込められているのです。時計店に行かれた際は、是非、グラスヒュッテの時計を探してみてください。もれなく良い時計だと思います。

 

GLASHUTTE表記のあるノモスのダイアル

 個人的な考えですが、「グラスヒュッテの時計が欲しい」と思ってから、価格とデザインでノモスを選んでいただく事が、ノモス購入までの正しい順序だと考えております。したがってまず先に、グラスヒュッテのお話をさせて頂きました。

 

【ノモスの歴史】

さて、グラスヒュッテの魅力をお話ししたうえで、いよいよ本題のノモスについて語っていきましょう。

ノモスの創業は1990年。意外と若いと思われるかもしれませんね。しかしながら先述したグラスヒュッテの特徴から紐解くと、グラスヒュッテのメーカーは全て、グラスヒュッテの歴史と重なっていると言ってもいいのかもしれません。

因みに、1906年から1910年にかけてグラスヒュッテに同名の時計メーカーが存在していたようですが、グラスヒュッテの史上には載っておらず因果関係は定かではありません。一説によると、現ノモスの創業者ローラント・シュヴァートナーが古い社名を復活させた、とも言われています。なかなか謎めいておりますね。

 

【ノモスの技術】

ノモスはマニュファクチュールと呼ばれる時計メーカーです。マニュファクチュールとは、時計の製造を全て自社で一貫して行える技術を有しているメーカーを指します。しかしながら、分業制を重視するスイスや日本、そしてグラスヒュッテでは、実際に全ての工程を行う事は稀で、様々な工房と提携しパーツの入手を行っています。

それでも、マニュファクチュールであることは極めて稀で、それは時計選びの一つの選択肢として愛好家達に支持されているのです。

ドイツマイスター制度を修了したノモスの職人達

 

【ドイツのマイスター制度】

少し話はそれますが、ドイツ製品がなぜ世界的に品質を認められているのか、についてお話ししたいと思います。

工業製品に関してドイツは世界一と言っても過言では有りません。それはドイツの歴史や地形によっても形成されており、国が産業を守るべく制度を設け大事に育んでいるからなのです。

職人を育てる『マイスター制度』。ドイツではおよそ10歳~14歳で職業を選び、師事し、その道のプロとなるべく修行を行う制度が有ります。彼らは国家資格『ゲゼレ』を取得した後も、起業やキャリアアップを目指し更に学んでいき匠となります。日本の職人にも近いですが、ドイツは国政としてプログラムを設けている事が特徴的です。このことにより『ドイツ製品=高品質』と言った事実が守られているのです。

 

 【ノモスのデザイン】

個人的にはここからがノモスの魅力の本質だと思っております。そう、デザインです。一見『普通すぎる』デザイン。皆さんも最初はそう思ったのではないでしょうか?

ノモスの代表作タンジェント

 ノモスのデザインは、ドイツの『バウハウス』に大きく影響を受けていると言われています。バウハウスとは1919年から僅か14年間のみ存在した造形学校です。僅か14年間の存在にもかかわらず、その出身者達は、建築、家具、アートといった分野で目覚ましい活躍をし、伝説となって今なお多くのモノに影響を与え続けています。

バウハウスの校舎

産業革命後の『合理主義』『機能主義』に深く依存したバウハウスデザイン。「形状は機能に準ずる」と言う考え方は、モノの形を極端に研ぎ澄ましていきます。そして研ぎ澄まされた後に残るモノはとてもシンプルに見える事でしょう。シンプルな顔に隠された理由と美しさ。 それはまるで絵画の様に、見る者によって意味合いを変えてしまいます。ピカソの絵を『芸術』と捉えるのか『落書き』と捉えるのか・・・。とても難しい感覚ですが、そんな感覚でノモスのデザインを楽しんでもらえれば、と思います。

 ノモス・グラスヒュッテ オリオン

 

【ノモスの拘り】

メーカーの拘りと言えば、大抵どのメーカーにも素晴らしい拘りがいくつも有りますよね。ここではノモスの少し変わった拘りを一つご紹介します。

ノモスの腕時計を製造している場所は、最初からずっとお話ししている?・・・そう、グラスヒュッテですね。時計の聖地です。大抵のメーカーであればデザインチームも同じ社屋にてディスカッションを重ねると思うのですが、ノモスは少し変わっています。

ノモスのデザインチームはドイツの首都ベルリンに在ります。車でわざわざ2時間10分も掛かる地になぜ?もちろん首都ベルリンには様々な文化や流行が入ってくるため、デザイナーにとっては刺激的と言う点もあるでしょう。

ノモスは製造チームとデザインチームを距離で物理的に離して干渉させ過ぎないようにしています。それはデザインの妥協をしないと言う確固たる思いが有るからなのです。もちろんディスカッションはするでしょうが、最終的に製造チームが折れて頭を抱える。そんな縮図が見えてきますね。『デザインは拘り』『製造は工夫』で、結果的に最良のモノが出来上がる。と言う事をノモスは知っているのです。

論より証拠。ノモスの腕時計は数々のデザイン賞を獲得しており、ベルリンのデザイン事務所『ベルリナブラウ』の黒板には、受賞したタイトルが毎年更新されているのです。

ベルリナブラウの黒板

 

【ノモスの魅力】

 いかがでしたでしょうか。グラスヒュッテの確かなクォリティと、バウハウスの意思を継承するデザイン。それらが融合した完璧な腕時計がノモス・グラスヒュッテです。皆さんも一度は、「良いものを1つ持っておけ。いざという時に役に立つぞ」と言われたことが有ると思いますが、まさにそれですね。

何十年も手元に置いておける一生モノの腕時計をお探しの方におススメです。

参考になればうれしいです。素敵な腕時計ライフをお送りください!

 

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