3.3㎜の成功『マーフ38』

3.3㎜の成功『マーフ38』

2022年の末に発売された『ハミルトンカーキフィールドマーフ38』。待ち望まれた同シリーズのサイズダウン化は文字通り成功と言っていい結果を残しました。今回はその成功のカギとなったデザインの秘密『3.3㎜』について触れてみたいと思います。是非最後までご覧ください。

【マーフウォッチとは?】

2014年公開の鬼才クリストファー・ノーラン監督のSF映画『インターステラー』の小道具として生み出された腕時計。その後映画ファン、時計ファンの声に応え2019年に商品化。そして2022年にサイズダウン化された『マーフ38』が新たに追加されました。

クラシックなコブラ針に日に焼けたようなベージュ色のインデックスと針。あえて日付表示を省き左右のバランスをとったダイアルを採用。綺麗ですがどこかノスタルジックな感じもする洗礼されたデザインが、映画ファンはもちろん、世界中の時計愛好家達の目に留まりました。

ブラックホールや宇宙人(?)が登場するSF映画ですが、荒廃していく地球や過去現在未来が行き交う重厚なストーリーにおいて、少し色褪せた雰囲気のマーフウォッチが違和感なく物語を盛り上げてくれます。

~主なスペック~
機械式自動巻き(キャリバーH10)、80時間パワーリザーブ、ニヴァクロン製ヒゲゼンマイ、ステンレススチールケース、サファイアクリスタル風防、10気圧(100メーター)防水、型押しカーフストラップ、尾錠タイプ、裏スケ

🔳オリジナル(マーフ42)の違和感
劇中で重要な役割を担って父から娘に引き継がれるシーンは鮮烈に記憶に残りましたが、幼いマーフの手に握られた腕時計のケースサイズが42㎜だったことは少し意外だった様です。この違和感はSNSを中心に様々な声を生み出し、その声にハミルトンが答える形でサイズダウン化が実現されました。

🔳僅か3.3㎜の拘り
さて、この『マーフ38』。その名の通りケースサイズは38㎜となっており。オリジナルの42㎜から4㎜小さくなっています。普通に考えればケースやインデックス、針の大きさ等を同比率で小さくすれば綺麗で簡潔にサイズダウン化が可能です。しかし今回ハミルトンはその比率を無視し、僅か3.3㎜の拘りで成功を成し遂げたのです。

🔳更に雰囲気が増したマーフ38

オリジナルのマーフは横42㎜、縦52㎜(ラグからラグ)。サイズダウン化したマーフ38は横38㎜、縦44.7㎜となっています。同じ比率の場合、縦48㎜となるのですが、そこから更に3.3㎜短くデザインされました。リューズの大きさも同比率では行われず、ケースに対して少し大きくデザインされています。
これらの拘りにより、まるで1950年代のミルスペックウォッチの様な雰囲気を醸し出す事となります。

短くデザインされたラグは手首に乗せた時にスッキリと収まります。手首の細い方でもフィット感良く着用出来る様になりました。

🔳全てはファンの為に
いかがでしょうか。もしかしたら同比率でサイズダウン化しても成功していたかもしれません。しかしそこを追求する姿、努力と自信にメーカーの商品に対する、そしてファンに対する想いを感じる事が出来ますね。

当時のハミルトンCEOはこの様な言葉を残しています。

「ハミルトンのウォッチコミュニティは、私たちが発表する時計に対して非常に情熱的に応えてくれるだけでなく、知識も豊富です。私たちは、ファンとの対話を積極的に行い、ファンのニーズを理解し、期待を上回る商品を出す事がいかに重要であるかを認識しています。」by Vivian Staffer,Hamilton CEO

「期待を上回る」・・・とても心強い言葉ですね。
参考になればうれしいです。素敵な腕時計ライフをお送りください!

 

~合わせてお読みください~

商品ページ【ハミルトンカーキフィールドマーフ38】

商品ページ【ハミルトンカーキフィールドマーフ42】

実機レビュー【ハミルトンカーキフィールドマーフ42】

ブログ記事【名作『ハミルトンマーフ38』にメタルブレスは着用可能か?】

 

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