【実機レビュー】ダマスコ ストップミニット 自社製ムーブメント

【実機レビュー】ダマスコ ストップミニット 自社製ムーブメント

DAMASKO STOPPED MINUTE ref.DC76L ¥616,000(税込) ※2024年6月時点

 さて、今回ご紹介させて頂くアイテムは少し変わったムーブメントを搭載した腕時計です。普段、デザイン寄りなレビューをする筆者ですが、今回に関しては『中の事』について多めにお話させて頂いております。今回のレビューを書くにあたってかなり勉強してきたつもりですが、間違った内容もあるかもしれません(ご指摘いただければ助かります)。あくまでも個人の見解としてご覧頂ければ幸いです。

っと、保険を掛けておいたところで、まずは公式の素材画像から行ってみましょう!

よくあるとてもカッコ良いパイロットクロノグラフですね。この時点で特徴に気付いた方はだいぶ変態です。

それでは実機画像と共にレビューさせて頂きます。是非最後までご覧ください。

  

 

 

 

【ケース】

ケース径41mm、厚さ14.6mm。クロノグラフの顔としては少し小さいぐらいのサイズ感です。針や積算計が間延びすることなく均等に配置されています。個人差はあると思いますが、しっかり詰まった感のあるクロノグラフ顔が好きな方は多いのでないかと思います。

ケース素材はオーステナイト系ステンレススチール。ステンレスはその配合や熱処理によっていくつかの種類に分けられますが、その中でも耐食性に強く一般的に腕時計の外装によく使用される素材がオーステナイト系です。「あれ?ダマスコってマルテンサイト系で硬度を実現しているのでは?」と思った方、ダマスコ愛が溢れていますね。おっしゃる通り、ダマスコの超硬質ステンレスはオーステナイト系より硬いマルテンサイト系を用いる事が多いのですが、『DAMEST® コーティング』によりオーステナイト系でも他のアイテムと同等の耐摩耗性を実現可能としている様です。

因みにマルテンサイト系ステンレスは、オーステナイト系と比べると耐食性に劣り錆が出てしまう事もあったようです。(現在ダマスコのマルテンサイト系ステンレスは改良されているとの事でご安心を)

ダイバーズウォッチならまだしも、今回のパイロットウォッチになぜオーステナイト系ステンレスを用いたのかは謎ですが、ダマスコのアイデンティティでもある超硬質ステンレスは健在。ケースに傷が入らないのであれば良しとします。これ以上調べると頭がどうにかなってしまいそうですし・・・

【ダイアル】

センターに時針と分針、クロノグラフ用の秒針とクロノグラフ用の60分積算計、3時位置に24時間表示、4時位置に日付、6時位置にクロノグラフ用の12時間積算計、9時位置にスモールセコンドを配置。うーん多機能。萌えますね。

インデックスはバー、針はペンシルになっており、情報量が多いダイアルでもスッキリとしたイメージに整っています。

後ほどムーブメントについてお話させて頂きますが、センターに配置された飛行機型の針が特徴的ですね。今回のポイントなっております。

【耐磁性】

ムーブメントとケースの間にインナーケースを設けており、80,000A/mの耐磁性を兼ね備えております。日常生活で磁気の心配をする事が無くなりました。80,000A/mはロレックスミルガウスと同等のスペックです。

【防水性】

100メーター防水。非常に強い、とまでは言えませんが、こちらも日常生活では心配する必要は無さそうですね。耐磁性、耐久性と共にドイツの品質規格DINをクリアーしております。安心して使ってください。

また、すべての DAMASKO クロノグラフには、特許取得済みのプッシュボタン システムが装備されています。DAMASKO プッシャーは頑丈で摩耗しません。驚く事に、リューズとプッシャーは水中でも問題なく使用できるそうです。

【風防】

軽くカーブしたサファイアクリスタル。両面に無反射コーティングを施しております。

【ストラップ】

パイロット仕様の激渋レザーストラップ。手首に巻いた時のフィット感は流石です。パイロット仕様のジャケットやロールアップした長袖シャツと合わせたいですね。

【ムーブメント】

今回の肝となる自社製ムーブメント『C51-6』。名機と言われる『レマニア5100』と言うクロノグラフムーブメントを再現しています。機械式自動巻き、 28,800A/h、50時間パワーリザーブ、27石。

~レマニアとは~
1884年、ジャガー・ルクルトで修業を積んだアルフレッド・ルグランにより設立された工房。『エボーシュ』と呼ばれる基礎ムーブメントの製造と供給に特化したレマニアは、その技術力とビジネスセンスから順調にトップブランドへ上り詰めます。1933年にオメガとティソを代表とするSSIH(現スウォッチグループ)に統合されると、オメガムーンウォッチのムーブメント(Cal.321、Cal.861)を製造。その他にも、雲上三大時計と言われるパテック・フィリップ、オーデマピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンにムーブメントを供給しました。その後、1981年にSSIHを脱退しブレゲのムーブメント製造部となり完全に社名が消失。更に1999年のブレゲのスウォッチグループへの参加によって再度同グループに籍を置く事に。また、自社の時計ブランドも展開しており、当時多くのミリタリーウォッチを供給していた様です。製造が終了した現在でもなおファンの多い時計メーカーです。

そのレマニアの代表的ムーブメントが『レマニア5100』で、設計された’70年代後期から’00年代初期までクロノグラフの代表格として活躍した名機となっております。その特徴はセンターに配置されたクロノグラフ用の60分積算計で、4段構造のセンター軸が目を引きます。この『レマニア5100』は現在では新たに製造されることは無く、現存するパーツのみでメンテナンスを行っております。

今回新たにダマスコが設計した『C51-6』は『バルジュー7750』をベースにして『レマニア5100』を再現しています。その設計は大きく『手直し』されており、クロノグラフの制御装置であるカムやリセットハンマーの改良、24時間表示計と4段センター軸が追加されております。歯車の大きさや配置の変更、石数の増加や動力の伝達方法など、ひとえに『手直し』と言ってもその工程は果てしなく、ダマスコのテクノロジーとパッションがあってこそ成し遂げられた事であるのは間違いなさそうです。

もともとダマスコに供給されるETAのムーブメントは何故だかグレードの高いモノが約束されています(他のメーカーより優遇されている?)。そのままでもハイスペックなポテンシャルを有していますが、ダマスコの自社ムーブメントはソレを凌駕するほど別次元へと昇華させています。実に驚きです。

こうして伝説の名機『レマニア5100』が復刻したのです。

【センター軸クロノグラフ】

2時位置のプッシュボタンでストップウォッチが始動。センター軸に配置された細い針が1周(60秒)すると、同じくセンター軸の飛行機型の針が1目盛り動く仕組みです。飛行機型の針が1周(60分)で6時位置の目盛りが一つ進み12時間までカウントしてくれます。再度2時位置のプッシュボタンでストップウォッチを一時停止し、4時位置のプッシュボタンでストップウォッチの全ての針をリセットします。

残念ながら裏スケでは無いのでこのムーブメントは拝むことが出来ません。が、「腕元にこの特殊なムーブメントを乗せている」と言う事実だけでも白飯が食べれそうですな。そして是非、飛行機型の針が動く瞬間をお見逃しなく。

いかがでしょうか。筆者は普段、腕時計のスペックは『誤差っすね♪』程度の感じでお話してしまいますが、実際はハイスペックやレアなムーブメントを腕に乗せる喜びは確実にあると思っています。自動巻きクロノグラフムーブメントの歴史には『ヴィーナス178』『レマニア5100』『バルジュー7750』等、名機と呼ばれる作品がいくつか殿堂入りしています。そして伝説のレマニア5100を完ぺきに再現した『ダマスコC51-6』。腕に巻いてみたいと思いませんか?

それにしてもダマスコと言う時計メーカー、まだまだ謎が多いメーカーです。今後も目が離せませんね。

 参考になればうれしいです。素敵な腕時計ライフをお送りください! 

 

~合わせてお読みください~

【商品ページ】ダマスコ ストップミニット 自社製ムーブメント

【ブログ記事】金属のスペシャリスト『DAMASKO/ダマスコ』

 

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